
2027年1⽉から、いわゆる「こどもNISA」が開始される予定です。
令和8年度税制改正では、次世代の資産形成⽀援として、NISAのつみたて投資枠の対象
年齢を0歳から17歳までに拡充することが盛り込まれました。
| 項⽬ | 概要 |
|---|---|
| 対象者 | 0歳から17歳までの未成年者 |
| 年間投資枠 | 60万円 |
| ⾮課税保有限度額 | 600万円 |
| 対象商品 | ⻑期の積⽴・分散投資に適した⼀定の投資信託 |
| 運⽤管理 | 親権者等による⼿続き・管理が想定される。⼀定の要件の下、⼦が 12歳以降、⼦の同意を得た場合に親権者等による払出しが可能 |
| 開始時期 | 令和9年(2027年)から |
そんなこどもNISAですが、証券会社や⾦融機関の実務⾯から⾒ると、⼝座開設の⼊⼝である本⼈確認をどう設計するかが重要なポイントとなってきます。⼝座の名義⼈は⼦どもである⼀⽅で、実際に申込⼿続きに関与するのは親権者等になることが想定されるため、通常のNISA⼝座開設とは異なる本⼈確認プロセスが必要となってきます。
こどもNISA制度において避けて通れないのが、犯収法上の取引時確認です。
犯収法では、特定事業者が⼀定の取引を⾏う際、顧客の本⼈特定事項を確認することが求められています。証券⼝座の開設も、この取引時確認の枠組みの中で本⼈確認が⾏われる場⾯の⼀つです。
ここで重要になるのが、「顧客」と「実際に⼿続きを⾏う⼈」が⼀致しない場⾯です。こどもNISAでいえば、顧客にあたるのは⼝座名義⼈である⼦ども側ですが、実際のケースとして、未成年者⾃⾝がすべての⼿続きを単独で進めるとは限らず、親権者等が代理⼈または⼝座管理者として申込みを⾏う場⾯も⼗分に想定されます。したがって、こどもNISAの本⼈確認では、親と⼦の本⼈確認をそれぞれ分けて考える必要があります。
こどもNISAの本⼈確認では、⼦ども本⼈と親権者等を必ずしも同じ⼿続きフローに乗せられるとは限りません。
本⼈確認⽅法を検討する際には、まずは⼦ども本⼈と親権者等のそれぞれについて、利⽤可能な確認⽅法を考える必要があります。親権者等には利⽤できる確認⽅法であっても、⼦ども本⼈には、年齢や保有書類の関係で同じ⽅法を利⽤できない場合があるからです。
(代表例がマイナンバーカードの署名⽤電⼦証明書を⽤いる⽅法で、署名⽤電⼦証明書は15歳未満の⽅には原則として発⾏されないことから、親権者等については公的個⼈認証を利⽤できる場合でも、⼦ども本⼈については年齢によって同じ⽅式を利⽤できない可能性があります。)
そのため、こどもNISAの本⼈確認では、⼦ども本⼈と親権者等を同⼀の本⼈確認フローに無理に乗せるのではなく、それぞれに利⽤可能な確認⽅法を分けて設計することが重要になります。
こどもNISAの本⼈確認⽅法には、三つの⽅式が考えられます。
| ⽅式 | 主な内容 | 利点 | 留意点 |
|---|---|---|---|
| ヘ⽅式 ※2027年4⽉以降は「ハ」 |
ICチップ読取+容貌撮影 | オンラインで即時完結しやすく、真正性確認に強い | 顔画像の突合、撮影品質、例外処理の設計・実装が必要 |
| チ⽅式 ※2027年4⽉以降は「ホ」 |
「ICチップ読取 or 本⼈確認書類原本の送付」+ 転送不要郵便等 | 容貌撮影・顔突合を不要にしやすい | 即時完結しにくく、郵送コスト・到達管理が必要 |
| カ⽅式 ※2027年4⽉以降は「ヌ」 |
署名⽤電⼦証明書を⽤いた公的個⼈認証 | オンラインで即時完結しやすく、真正性確認に強い | 15歳未満の⼦どもは原則として署名⽤電⼦証明書を利⽤できない |
こどもNISAは「⼦ども名義の⼝座を、親権者等が⼿続きする」という構造があるため、本⼈確認の設計が、通常の成⼈⼝座よりも複雑になります。
本⼈確認のポイントは以下の三つです。
本⼈確認は、単に申込フォームの最後に置かれる⼿続きというだけではなく、⾦融機関が安全に⼝座を開設し、利⽤者が安⼼して資産形成を始めるための⼊⼝でもあります。こどもNISAの普及に向けては、⼦ども本⼈と親権者等の双⽅にとって分かりやすく、かつ法令上も堅牢な本⼈確認導線を整えることが重要になるでしょう。
[ 2026.06.26 ]